シャルクミューレ社を経営している、兄・ライナーさん(左側)弟・フランツさん(右側)中央に販売代表・神谷。
※下記にある写真をクリックすると拡大された写真をご覧頂けます。
2016年10月、オーストリアのグラーツ空港(シュタイヤマルク州都)に到着。
今回の訪問先である、シャルクミューレ社は、グラーツ空港から車で約1時間ほどの距離にあります。
自然豊かな地域にあるシャルクミューレ社ですが、道中では高速道路やインフラ整備も充実しており、自然と近代文化の調和がうまく取れた街並みが、とても綺麗でした。
夜遅く到着したので、まずはイルツのホテルにチェックイン。
日本のペンションのような、こじんまりとした建物がとてもアットホームの雰囲気で、朝食はもドイツと似て、ライ麦パンからカイザーゼンメル、ゾンネンブルーメルのパンなどが並び、数種類のチーズ、ハム、ソーセージがあり、とても美味しかったです。
翌朝、担当者のフランツさんにホテルからに工場に車で連れてってもらいました。
途中に出会う村人の殆どの方と挨拶を交わしている姿を見ると地域コミュニティーの関係性の良さを感じました。
長く続いた大きな通りから畑に面した小道に入るとシャルクミューレ工場が視界に入りました。
美しい田園風景の中に立ち、村の風景の一部のように溶け込んでいるように見えました。
伝統的パンプキンシードオイルの工房
私たちが輸入しているパンプキンシードオイルはここで作られているんだと感動しました。
12~13畳位の広くないスペースに60年以上前から使われている歴史を感じさせる機械が並びます。
体の大きいマッチョな職人が、黙々と無駄な動きがなく作業する姿は思わず惹きこまれて見入ってしまう程です。
オーストリア・シュタイヤマルク州の昔から伝わる伝統的製法により製造されているのですが、製法自体はとてもシンプルな工程です。
まずはかぼちゃの種を粉砕し、薪を使ったロースト機で焦がさないように熱を入れます。
しばらしくて、粉砕されたかぼちゃ種から湯気が立ち、油が出やすくなってから取り出すのですが、そのタイミングはかぼちゃ種の状態やその日の天候などによって変わるようで、職人の経験による判断で決められます。
こういった、的確な抽出の判断が出来るようになるまで、10年位はかかるのだそうです。
次に圧搾機に移されます。
大きい寸動鍋のような圧搾機、中に2~3キロ円盤状の重り10枚を使い、その間に熱くなったかぼちゃ種が円盤と円盤の間に差し込まれてセットされます。
すこしづつ圧力がかけられ、じわっとかぼちゃ種から油が絞り出されます。
その後、オイルの量が増えてパイプから勢いよく流れ出ていました。
高いエコ意識。
森林からでる木材を薪として利用されているほか、ここで使用される電気はすべて近くの川を利用した水力発電で賄っています。
ヨーロッパでは珍しくないそうですが、ここオーストリアでもあちこちにこういった水力発電や風力発電の装置が見られます。
ダムを作り安定した水力発電ができるようにしてます、また魚がダムに吸われないように魚用の道を作るなど、自然環境への配慮もきちんと考えられた仕組みに感心しました。
かぼちゃ畑見学
2016年のこの年は例年より収穫期が早く訪れ、工場近くの畑にはカボチャは無く、何とか今から収穫する畑を探しだしてくれました。
写真にもありますが、畑一面に大きなかぼちゃが一定間隔で広がっていました。
日本ではあまり見かけない風景で、まるでUSJかDSNYなどのアミューズメントコーナーか、おとぎ話のような不思議な光景でした。
品種はハロウィンなどに使われるペポかぼちゃです。こんなに大きい!
かぼちゃの中を開けると、もうすでによく見る濃緑色のかぼちゃの種がそのまま入っていてびっくり、一つのかぼちゃに約300粒の種が入っているそうです。
凄い迫力!
かなり大きなトラクターのような機械、車輪に針のようなものがついており、それが回りながら、かぼちゃを次々に突き刺して引き上げられると同時に反対側の粉砕機にかかり、種だけが残り後の中身は粉々になって畑に捨てられます。
あまりにもダイナミックで迫力のある収穫の様子にビックリしました。
ただ機能的で効率の良い作業です。このあと直ぐに待機しているトラックにかぼちゃ種が移されて、乾燥工場に運ばれて行きました。
オーストリアで伝統的料理を食べる
地元の人が通うレストランにランチに行きました。
シュニッツェルというカツレツを頂きました。
お肉は柔らかく、フルーツソースが添えてあり、日本人にも食べやすい印象を受けました。
ドイツでも似たような料理があり、もともとは歴史的につながりがあるイタリアのカツレツ、コトレッタがウィーンに伝わったという説があり、さすがヨーロッパ大陸を感じさせる逸品でした。
付け合せにはここシュタイヤマルク州では、もちろんパンプキンシードオイルを使ったサラダで、バルサミコ酢と混ぜているような味付けでした。
もっといろんな種類の料理を試したかったのですが、欧米では一品のボリュームが多いので、そういうわけにもいかず、日本の居酒屋スタイルのように色んな料理を少量づつ出してくれればなあ、といつも思います。
高級レストラン HARBERL
ここイルツでも大変有名なレストランだそうで、内装も開放的な雰囲気で素晴らしく、それらしい感じのお客様が多くいらっしゃいました。
ランチメニューの中から肉料理を選び、別にパンプキンスープとサラダを注文しました。
どの料理も本当に美味しかったです。とても洗練された味つけでした。
ウィーンでの視察
日本に留学しているウィーン大学の学生が、たまたま帰省していたので、市場、スーパーなど食品関係を見て回りました。
ベジタリアン専門のスーパーがあるのにはびっくりしました。
今回の様々な視察を参考に、日本でももっと自然力のある健康と安全、安心の食材、食品を広めていきたいと感じました。
特にパンプキンシードオイルは昔からの製法で、自然と文化を取り込み、体に優しく、そして美味しい。
まずは皆様に実際に味わって頂きたいと思います、是非お試しください。